昨日みた夢

目が醒めかけている。そろそろ起きようと思う。夢の中で光に向かって歩き出す。でも起きられない。僕を目覚めさせないようにしている者がいて、そいつが前に立ちふさがっているのだ。大きい。熊のような形をしている。というか熊だ。
そいつは、とにかく僕の邪魔をしようとしている。理由は分からない。邪悪な意志を感じる。でも、不思議と恐怖感はない。まいったな、とだけ思う。今から考えると、僕は僕であると同時にそいつであったのかもしれない。
そのとき、母と妹が話しているのが聞こえてくる。母が妹を軽く説教している。内容は「もうちょっと考えてからお金を使いなさいよ」ということらしい。妹が母から少しお金を借りていて、まだ返していない。旅行に行ったり洋服を買ったり、いろいろやりたいのは分かるけれど、全部をとることはできない。何かをやったら、他のことを我慢しないければならない、ということを話している。
母の言っていることは確かにそうなので、妹は口答えしない。だけど、という感じは伝わってくるが、ちゃんと悪いと思っているようだ。とりあえず5000円返すよ、と言ってお金を渡そうとする。母は「別に無理しなくていい」と返す。確かに、母は別にお金を返して欲しくてそんな話をしたわけじゃないだろう。
きっと妹は、まわりの友達はいろいろ楽しんでいるのに私は、みたいなことを思っているのだろうなと考える。なんでまわりと同じように楽しんでいるだけなのに私はお金が足りなくなるのだろう、なんで私はいろんなことができないのだろう、と。
そういう気持ちはよく分かるので、僕は妹に同情的な気持ちになる。そして、そのみじめさの要因には、兄である僕も入っているのかもしれないと考える。なんで私の兄はああなのだろう、と。確かになんで僕はこうなのだろう。少なくとも楽しい気持ちにさせてくれる兄ではない。事実だ。
そんなことを考えていたら、悲しくなっていつの間にか目が覚めていた。朝7時。