漫画「SLAM DUNK」

井上雄彦SLAM DUNK」を一気に読む。その後、気持ちがすごく暗くなる。自傷的に寝る。なにか一つのことに夢中になり、正しいと信じて努力し続ける。そういうことをできる人間がいるということ。そう思うと、自分がウジウジ悩む人間でしかなかったことに落ち込んでしまう。また単純に、自分も運動部に所属してみればよかったかなと思ってしまう。昔、自分は運動向きじゃないと決めつけているところがあった。でも今は、体を動かしたり、専門的な技術を磨いたり、自分の体が変わっていくのを知ることは、実は楽しいことであることを知っている。
またそして、それらはつらさを伴うものであり、続けるのが難しいことも知っている。進んでいくと、必ず初志に対抗する考えが持ち上がり、価値観の変換という題目で心を誘惑してくるのだ。僕はこいつに屈してばかりだった。
SLAM DUNK」は漫画で、ただの大いなるフィクションだ。そして、どちらかというとエンターテイメントよりだ。だから、これを読んで、素直に影響されるのは恥ずかしいことなのかもしれない。でも、そこで僕の気持ちが揺り動かされて反応したのは本当だ。それはごまかせないし、ごまかすところではないと思う。むしろ、そういう反応を自分で観察して、蓄積していくことで、僕は自分を知っていきたい。