自分は変えられるのか

ある程度の年齢に達してしまったら、自分というものはもう大きくは変わらないのではないだろうか。こうなりたいと意識して、しばらく自分の行動や気持ちを律してみようとしても、それは長く続かない。
もちろん年をとっていけば、変わるところはたくさんある。ただ、自分の理想に向けて、意図どおりに変われることはまれである気がする。そういう努力も必要だろう。ただ、不毛な方向へのもがきは、単なる消耗に終わってしまうのではないだろうか。どのような努力も、もがきも、後になれば何らかの自分の糧になるとは思う。でも、努力と消耗は違うと思う。
理想を勝手に設定して自分との距離に落胆するよりは、今の自分を把握して受け入れることのほうが大事だ。自分で自分を否定しながら生きていくのは、つらいことだから。
自分の性質を把握すること。自分の気持ち、考え方、行動の傾向を振り返ってみる。それが悪かったか良かったか、判断するのではなく事実として受け入れる。そして、なるべく心を、温かみのある場所に保っていける方法を探ったほうがいい。
尊大になることなく、謙虚にならなくてはならない。でも、自分を否定してはいけない。否定しても、心が暗い場所に沈んでいくだけだと思う。