『大金星』のアンヘル

黒田硫黄の新刊短編集『大金星』に収録されている「アンヘル」.前も読んだことがあって,それと比べて何か会話とか変わってない?と思ったのだけれど,確認してみたらやっぱり変わっていた.『茄子 アンダルシアの夏 アニメ&漫画コラボBOOK』に載っているのは 42P で,『大金星』のは 51P.お話の後半,レースの部分を中心に描き足されていた.
ページが増えたことで,レースの展開がわかりやすくなっていた.ヘススが逃げてて,でも本命はサルガドだから...という駆け引きみたいな部分.オリジナルでも,ちゃんと読むと同じ展開をしているのだけれど,細かく描かれていなくて分かりづらかった.それが,自分みたいな素人でもちゃんと分かるようになっていてGOOD.
ただ,全体的な構図でいうと,オリジナルのほうが良かった.特にレース中,マリアからドリンクをもらう部分.オリジナルのでは,手が群集からニュッと出ていて,それに近づいていって,受け取って,そのまま走り去る,という流れがうまく表現されていたのだけれど,『大金星』のはよく分からない.おそらく,140P のアップの部分で一瞬音が消えて,141P でワッとまた時が動き出す,みたいな演出を狙っているのだと思うけれど,自分にはうまく伝わってこなかった.